技術資料 蒸気編5.

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1.蒸気用 面積流量計の口径選定方法
 「蒸気-AIR 換算方法」

飽和蒸気 仕様圧力または仕様温度、最大流量が決まっている場合


面積流量計のカタログに蒸気流量の測定範囲が記載していない場合で
蒸気測定が可能な型式では「気体」のAIRの測定範囲を参考にして
口径を選定することができます。

型式:EMC***  気体仕様表2.
本体サイズ 接続口径 AIR m3/h(ntp)
測定範囲(最大値)
20A 15A 15 〜 25
20A 20A 15 〜 50
25A 25A 15 〜 90
40A 40A 50 〜 150
50A 50A 100 〜 400
65A 65A 120 〜 500
80A 80A 150 〜 750
100A 100A 1000 〜1800
125A 125A 1400 〜2500
150A 150A 2200 〜3200

例として上の、型式:EMC*** の気体(AIR)測定範囲表は AIR の圧力が 1atm 温度20℃の操業状態の
流量を、圧力 1atm  温度0℃の基準状態の体積流量m3/h(ntp)で記載しています。
この場合の操業状態の AIR 密度は 1.205 kg/m3(op) ですが、この密度を蒸気の密度で考える
と圧力が 115kPa(G)  (温度約122℃)の飽和蒸気の密度に相当します。
つまり、上の測定範囲表は飽和蒸気の圧力が 115kPa(G) の操業状態の体積流量と
考えることができます。

(本体サイズ/接続口径 100A   125A   150A   特殊品として流量範囲を掲載してあります。)

蒸気の流量は質量流量 kg/h で表すことが多いので、体積に密度を乗じて質量に換算します。
上の表の口径 50A の測定範囲(最大値)は 100 〜 400 ですので、密度 1.205 kg/m3(op)
を乗じると、120 〜 480 kg/h  となります。

これは操業状態の圧力が 115kPa(G) の飽和蒸気の測定範囲(最大値)と考えることができます。
操業状態の圧力がそれ以外では密度を換算して「乗数」を掛けることによって求めます。

150kPa(G) の場合の乗数 1.1
200kPa(G) の場合の乗数 1.2
250kPa(G) の場合の乗数 1.3
300kPa(G) の場合の乗数 1.35
350kPa(G) の場合の乗数 1.45
400kPa(G) の場合の乗数 1.5
450kPa(G) の場合の乗数 1.6
500kPa(G) の場合の乗数 1.65
550kPa(G) の場合の乗数 1.7
600kPa(G) の場合の乗数 1.8
650kPa(G) の場合の乗数 1.85
700kPa(G) の場合の乗数 1.9
750kPa(G) の場合の乗数 1.95
800kPa(G) の場合の乗数 2.0
850kPa(G) の場合の乗数 2.1
1000kPa(G) の場合の乗数 2.2
1200kPa(G) の場合の乗数 2.4
1400kPa(G) の場合の乗数 2.5
1600kPa(G) の場合の乗数 2.7
1800kPa(G) の場合の乗数 2.8
2000kPa(G) の場合の乗数 3.0

の乗数を 120 〜 480 kg/h に掛けた数値が測定範囲(最大値)になります。

なお、カタログに気体の測定範囲表が記載されている場合でも、その型式が
蒸気の測定が可能か確認したうえで「蒸気-AIR換算方法」をおこなってください。
また蒸気では温度が100℃以上ですので流量計構造、付属機構、電気発信など
を選択する場合に温度を考慮する必要がありますのでご注意ください。

 

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