技術資料 流量計の精度

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流量計の精度、誤差、誤差率、器差 などの表現について

[1] フルスケールの±□□% (±□□%FS)
これはフルスケール 最大流量に対する精度を示します。
例えば最大流量100m3/hが計測可能な流量計で精度が±1.0%FSの場合
誤差の絶対値は 100m3/h X 0.01 = 1.0 m3/h となります。
実際の瞬時流量がフルスケールの50%にあたる50m3/hの場合でも誤差は1.0m3/h
ですので、この場合の計測値50m3/hに対する誤差率は 1.0/50 = 0.02 = 2(%)
となります。
このフルスケールに対するレンジ毎の精度をグラフで示すと下図になります。
流量計の種類、型式により±2.0%F.S. 、±1.0%F.S その他、精度は異なります。
弊社での流量計の精度とは、この誤差の百分率である誤差率を表しています。

弊社の流量計で精度をフルスケール(%FS)で表している型式では
試験成績書の表現は「精度」として
精度 =(指示流量−実流量)÷最大流量×100(%)としております。
この場合の最大流量は最大目盛値といたします。


これは、フロート形面積流量計 JIS B 7551:1999(2006確認)より
精度は、有効測定範囲において、最大目盛値の±2%とするによります。
弊社の「面積流量計」はこのフルスケールで精度を表示しています。

フルスケール器差については社団法人日本計量機器工業連合会
資料:013流量計用語 2002-4制定
解説8.フルスケール器差、フルスケール精度 によります。

(流量計精度グラフの一例  フルスケールFS )

流量計の精度 フルスケール


[2] 指示値の±□□% (±□□%RD)

これは、その流量計で計測している流量における精度です。
ですから±1%RD という精度の流量計はその計測範囲全域
で±1%の精度で計測できるということです。
ただし、流量計の計測範囲以下は精度保証外となります。
±2%RD 計測範囲10〜100%の場合の精度グラフ (0〜10%未満精度保証外)
±1%RD 計測範囲 5〜100%の場合の精度グラフ(0〜5%未満精度保証外)
の例を下に示します。
流量計の種類、型式により±2.0%RD 、±1.0%RD その他 精度は異なります。
一般にパルス信号を出力する(デジタル表示)計測器などの精度表示
に用いられています。

精度 =(指示流量−実流量)÷ 実流量×100(%)としております。


(流量計精度グラフの一例  リーディングRD )
流量計の精度 リーディング
 

注) R.D. : reading の略。
   of Reading   of Rate と云う場合もあります。

[3] 電磁流量計の測定誤差

電磁流量計 JIS B 7554:1997(2003確認)より
測定誤差 電磁流量計の測定誤差は、指示値に対する誤差(指示値誤差)又は
フルスケール流量に対する誤差(フルスケール誤差)によって表す。

指示値に対する誤差eは、次の式にって定める。

   e=(I−Q)/Q × 100  (%)

   ここに、e:指示値に対する誤差
         I:流量計の指示値
       Q:基準校正器又は基準校正装置によって求めた実流量


フルスケール流量に対する誤差eFは、次の式によって表す。

   eF=(I−Q)/Imax × 100 (%)

   ここに、eF:フルスケール流量に対する誤差
          I:流量計の指示値
        Q:基準校正器又は基準校正装置によって求めた実流量
       Imax:流量計のフルスケール流量

          フルスケール流量とは最大出力信号に相当する流量


[4] タービン流量計

タービン流量計による流量測定方法 JIS Z 8765-1980(2002確認)より

流量計の器差(E)は、次の式によって求める。

   E(%)= (I−Q)/ I × 100

   ここに、I:積算器の指示量
       Q:基準校正器によって求めた実量(定められた状態に補正された値) 


JIS Z 8765-1980 は液体の流量を測定する方法について規定している。

 


 

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