技術資料 流量計の測定範囲
流量計の測定範囲(測定レンジ)
流量計を選定する場合は測定しようとする測定範囲(測定レンジとも云います)を決める必要があります。
例えば水の流量を測定する場合に配管のサイズが 50mmは解っているが、流れている水の流量がまったく解らない場合には、流量計を選定することができません。
配管サイズが 50mmでも流速に換算して、0.1 m/secで流れているのか 1m/secで流れているのか10m/sec で流れているのかの違いによって、10倍、100倍の流量の違いがありますので流量計の機種及び流量計の測定範囲の選定ができないことになります。
弊社で扱う多くの流量計は測定できる「最大流量値」と「最小流量値」の「測定範囲」があらかじめ解った配管に設置するタイプのものです。
お客様によっては、流れている流量が解らないから「流量計」を取り付けるんだ!とのことでお引き合いをいただく場合もあり、・・・なるほどな~・・・と思うこともあるのですが、残念ながらこれでは流量計を製作することができません。
超音波流量計、電磁流量計などのように、ある程度測定流量範囲(測定レンジ)が広い流量計では設置後にレンジの切り換えなどして、試験的に測定しレンジを決める場合もありますが、このような使用方法は必ず成功する保証も無く、お薦めはできない方法です。
この流量計の測定範囲(測定レンジ)ですが代表的な型式の「面積流量計」では一般的には1:10 (10~100%)のものが多く、これは最大流量100%に対して測定可能最小流量が10%であり、0~10%未満(不感帯とも云います)は測定できないものです。
面積流量計の場合、日本工業規格 JIS B 7551:1999 フロート形面積流量計 にて
実流量目盛の最大値として
10 12 15 20 25 30 35 40 45
50 60 70 80 90 ×10^n 倍
n=0又は整数
を用いることが記載されています。
流量計の測定範囲とは「その流量計に設定された精度内で測定できる測定量の範囲」と定義され例えば、タービンメータなどでは 1:20 や 1:30 などの測定範囲の広いレンジに設定することがありますが全ての範囲に設定された精度を適応することは難しく、10%以上は設定された精度が適応できるが10%未満は設定された精度の2倍が適応されるというような場合もあります。
流量計の型式により、1:10(10~100%)、1:5(20~100%)、1:20(5~100%)など測定範囲が異なりますので、カタログ、仕様書などに記載されている、測定範囲と精度を参照して機種選定と測定範囲の決定をお願いいたします。