技術資料 面積流量計編 3

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3.面積流量計 粘度補正について

面積流量計の粘度補正について

面積流量計は粘度(流体の粘性)による流量計精度影響が少流量の場合に特に大きく表れるため使用状態の粘度にて実流量試験による補正が必要となります。

粘度による影響は流量、口径、フロート形状等によって異なりますが一般にレイノズル数が小さい場合に粘度変化の影響を受けます。

「JISB7551フロ-ト形面積流量計」の粘度の補正の項でも「補正は一般に実測によって行う」としてあり、レイノルズ数と流出係数の関係がフロートの形状によって異なることが述べられています。

弊社で使用しているフロートの形状にもとづくレイノルズ数-流出係数(RD-C)曲線を下に示します。

M形、S形の各形状フロートはRD≧1000で流出係数がほぼ一定になりますがG形フロートはRD≧1000であっても流出係数の値が不安定であり、前者は補正が可能ですが、後者は補正が困難なことを示しています。

流体の粘度に関する流量試験を実測でおこなう場合に流量試験設備の能力により指定の粘度、流量範囲で流量試験ができない場合があり、このような仕様の流量計の製造はできない場合があります。

例 下のグラフより 粘度 50 cP の液体で流量範囲 0-10~100 m^3/h  の流量計では粘度補正必要領域になり、実測での流量試験が必要になりますが、弊社の流量試験設備で 0-10~100 m^3/h  の 50cPの液体の流量試験はできませんので製作はできません。

下のグラフを参照するとともに、詳細は弊社までお問い合わせください。

粘度補正流量曲線 粘度フロート形状

(注)レイノルズ数RDは次式より求められます。

 

RD=3.54×105 Q/Df ∨  = 3.54×102 W/Df η

Q:容積流量(m3/h)

W:質量流量(kg/h)

:動粘度(mm2/s)

面積流量計注文時の密度・粘度のご指定について

液体用の面積流量計をご発注される場合には液体の密度と粘度が慨知であることが条件となります。液体の密度と粘度が不明では流量試験できないことになり流量計の製造ができませんので、必ずご指定が必要となります。

液体の密度と粘度をご指定なされない場合には「水」 密度1.0 g/cm3  粘度1.0 mPa・s  (1.0cp)で製造して納入する場合が
ありますので予めご了承ください。

面積流量計をご注文いただき製造するには流体の「密度」、「粘度」は慨知でなければなりません。流体の「密度」、「粘度」が不明な流体では流量計を製造することはできません。

面積流量計を製造するうえで流体の「粘度」が慨知の必要性があることは上の式内に V 、η  が存在することでご理解いただけると思います。