技術資料 気体編3.

面積流量計 気体流量の補正  3−1.                                                           戻る

 流量計目盛 m3/h(ntp)    気体密度  kg/m3(ntp)   

   N窒素ガス用流量計で設計仕様 圧力が 500kPa(G) で製作されているが
  実際に流れている圧力が 200kPa(G) のように設計仕様と異なる場合は流量の補正が必要です。
    
 例: N2窒素密度 1.25kg/m3(ntp)、最大流量 20m3/h(ntp)、 設計仕様圧力 500kPa(G)、設計仕様温度 20℃
    実際の操業圧力 200kPa(G) 、操業温度 20℃ 現在の指示値 10m3/h(ntp) の場合

  ※ 面積流量計では設計仕様と異なる条件で流れた場合には流量の補正
    が必要です、異なる条件とは「流体密度」、「圧力」、「温度」です。

面積流量計の補正式 気体用 SI単位
    補正式 3-1
気体の流量補正式
Q1:実流量 (補正後の真の流量) 体積流量(容積流量)
m3/h(ntp) or   L/min(ntp) など
Q0:目盛読み流量(流量指示値) 体積流量(容積流量)
m3/h(ntp) or   L/min(ntp) など
ρ1:異なる気体の密度(実際の操業気体密度) kg/m3(ntp)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(ntp)
P1:異なる圧力(実際の操業圧力) kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
P0:目盛記載の圧力 kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
T1:異なる温度(実際の操業温度)
T0:目盛記載の温度
上記式に数値を代入して計算すると  
目盛記載の気体の密度 ρ0 1.25
異なる気体の密度     ρ1 1.25
目盛記載の圧力      P0 500
異なる圧力          P1 200
目盛記載の温度      T0 20
異なる温度          T1 20
目盛記載での気体密度 6.914 kg/m3(op)  計算値
異なる圧力での気体密度 3.464 kg/m3(op) 計算値
補正係数  補正式 3-1  第2項と第3項の積 0.708
目盛最大値 20.00
目盛の読み(流量指示値)  Q0 10.00
実流量(補正後の流量)   Q1 7.08 m3/h(ntp)
誤差率 % F.S. フルスケール 14.6 % F.S.
誤差率 % R.D. リーディング 41.2 % R.D.

*  (ntp)とはノルマル状態と云い
  0℃、0Pa(G)=1atmの状態での気体の体積。
  (op)とはオペレーション状態を云い
  操業状態の温度、圧力での気体の体積。

* ρ0、ρ1 気体の密度は設計気体密度、操業気体密度
 が異なる異種気体の場合に計算が必要ですが
 同一気体の場合はρ0、ρ1の計算は不要です。

kPa(G)は大気圧基準を表す。

 補正の説明:上式のQ0×の右側の式部分を「補正係数」と呼び「流量読み値」に
 乗じた値が実流量(真流量)となります。
 上の場合では目盛の読み10に 0.708 を乗じた、7.08が実流量となります。

 設計仕様の圧力がkPa(G)以外の場合は kPa(G) に換算して上式に代入してください。

  上記例はQ&Aにも記載しています。

 
√(平方根)が算出できる関数電卓をお持ちで無い場合は
 Windows のスタート→すべてのプログラム→アクセサリ→電卓
 より sqrt を用いて計算できます。

 √が付いた電卓は100円ショップでも販売されていますね。


  上記例の計算式:エクセルはこちらよりダウンロードできます→ エクセル計算式


注意1. 上記の補正係数は使用している流量計の使用条件が、設計仕様と異なる場合に実際の流量(真流量)
     を求める計算の係数を表しています。試験成績書の補正係数 R とは意味が異なります。

注意2. 上記の補正式はボイル・シャルルの法則とベルヌーイの定理によっていますので
     流量は差圧に比例し、流体密度の平方根に反比例しますので、流体密度を求める、温度、圧力
     の平方根となり √ が入ります。左側√の中がボイル・シャルルの法則です。

注意3. 上記の補正式の温度、圧力はそれぞれ「絶対温度: K ケルビン」、「絶対圧力:kPa(abs) 」で計算しますので
     摂氏温度:℃、ゲージ圧力:kPa(G) で流量計の仕様が与えられた場合は
     絶対温度(K)=273.2 +  ℃   、 絶対圧力(kPa・abs)=101.3 + kPa(G) に換算して計算しています。




面積流量計 気体流量の補正 3−2.

流量計目盛 m3/h(op)    気体密度  kg/m3(op)

例: ガス用流量計で気体密度:9.22 kg/m3(op)で製作されているが、実際に流れている
   気体密度が 8.02 kg/m3(op)のように設計仕様と異なる場合は流量の補正が必要です。

面積流量計の補正式 気体用  
    補正式 3-2
  Q1  =  Q0  × ( ρ0/ρ1 ) ^ 0.5
Q1:実流量 (補正後の真の流量) 体積流量
m3/h(op) or   L/min(op) など
Q0:目盛読み流量(流量指示値) 体積流量
m3/h(op) or   L/min(op) など
ρ1:気体の密度     (操業時の気体密度) kg/m3(op)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(op)
上記式に数値を代入して計算すると  
 Q1 = 100 × (9.22 /  8.02) ^ 0.5 m3/h(op)
最大流量 100 m3/h(op)
目盛記載の気体の密度 ρ0   (設計気体密度) 9.22 kg/m3(op)
操業気体の密度      ρ1 (操業時の気体密度) 8.02 kg/m3(op)
補正係数 1.0722                    = (ρ0 / ρ1)^0.5
目盛の読み(流量指示値) Q0 100     m3/h(op)
実流量(補正後の流量)    Q1 107.22 m3/h(op)

*  m3/h(op)とは操業状態の体積流量を云い
  オペレーション状態での気体の体積流量です。
 

上の流量計の補正の例は流量計の最大流量(最大目盛)が 100 m3/h(op)、設計気体密度が 9.22 kg/m3(op)
で実際に流れている気体の密度が 8.02 kg/m3(op) の場合であり(操業時の気体密度が 8.02 kg/m3 )
気体の名称、圧力、温度は未知ですが、気体の密度が判っている場合です。

上の補正は設計時の気体密度と操業時の気体密度が異なる場合ですが、実際の流量計で気体密度
が変わるとは、圧力が変わる場合が多いと考えられます。

例えば、上の仕様の流量計は設計時の圧力が 4.6 MPa(abs)  、操業時の圧力が 4.0 MPa(abs)
で温度は設計時と操業時は同じと考えて、流量計の指針が 100 m3/h(op) を指して流れていたとき
の圧力が 4.6 MPa(abs) であり、流量計2次側の負荷が変わらないとして、1次側の圧力が 4.0 MPa(abs)
に下がった場合を想定すると、(4.0 / 4.6)^0.5   =  0.9325    となり、流量計の指針が 100×0.9325
= 93.25  に下がります。
この、93.25 に上の補正係数 1.0722 を乗じると 93.25 × 1.0722 ≒ 100 m3/h(op) となります。

面積流量計では流量計の2次側の負荷が変わらない場合に、操業時の圧力、温度が変わって
フロートの指示位置が変わっても、その時の操業時流量(オペレーション流量 m3/h(op) など)
は変わりません。 しかし、流量指示は操業時流量 m3/h(op) ではないので真の流量ではありません。

(9.22 /  8.02) ^ 0.5   は (9.22 /  8.02) ^ 1/2     9.22÷8.02  の平方根 √  です。

上の例で、設計気体密度 9.22 kg/m3(op)  圧力 4.6 MPa(abs)  の基準状態での気体密度は 0.2291 kg/m3(ntp)
ですので、最大目盛 100 m3/h(op) は、100 × 9.22 ÷ 0.2291 =  4024  m3/h(ntp)  に相当します。

上記例の計算式:エクセルはこちらよりダウンロードできます→ エクセル計算式



面積流量計 気体流量の補正 3−3.

流量計目盛   kg/h     気体密度  kg/m3(op)

例: ガス用流量計で気体密度:9.22 kg/m3(op)で製作されているが、実際に流れている
   気体密度が 8.02 kg/m3(op)のように設計仕様と異なる場合は流量の補正が必要です。

面積流量計の補正式 気体用     
       補正式 3-3
  W1  =  W0  × ( ρ1/ρ0 ) ^ 0.5
W1:実流量 (補正後の真の流量) 質量流量
 kg/h or   kg/min  など
W0:目盛読み流量(流量指示値) 質量流量
 kg/h or   kg/min  など
ρ1:気体の密度      (操業時の気体密度) kg/m3(op)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(op)
上記式に数値を代入して計算すると  
W1 = 1000 × ( 8.02  / 9.22 ) ^ 0.5 kg/h
最大流量  1000 kg/h
目盛記載の気体の密度 ρ0   (設計気体密度) 9.22 kg/m3(op)
操業気体の密度      ρ1 (操業時の気体密度) 8.02 kg/m3(op)
補正係数 0.9326                = (ρ1 / ρ0)^0.5
目盛の読み(流量指示値)  W0 1000   kg/h
実流量(補正後の流量)   W1 932.6  kg/h

上の流量計の補正の例は流量計の最大流量(最大目盛)が 1000 kg/h、設計気体密度が 9.22 kg/m3(op)
で実際に流れている気体の密度が 8.02 kg/m3(op) の場合であり(操業時の気体密度が 8.02 kg/m3 )
気体の名称、圧力、温度は未知ですが、気体の密度が判っている場合です。

(8.02 /  9.22) ^ 0.5   は (8.02 / 9.22) ^ 1/2    8.02÷9.22  の平方根 √  です。

上の例で、設計気体密度 9.22 kg/m3(op)  圧力 4.6 MPa(abs)  の基準状態での気体密度は 0.2291 kg/m3(ntp)
ですので、最大目盛 1000 kg/h は、1000 ÷ 0.2291 =  4365  m3/h(ntp)  に相当します。

上記例の計算式:エクセルはこちらよりダウンロードできます→ エクセル計算式



面積流量計 気体流量の補正  3−4.

流量計目盛 m3/h(op)    気体密度  kg/m3(ntp)
   

 O2酸素ガス用流量計で設計仕様 圧力が 500kPa(G) で製作されているが
 実際に流れている圧力が 200kPa(G) のように設計仕様と異なる場合は流量の補正が必要です。
    
 例: O2密度 1.429kg/m3(ntp)、最大流量 20m3/h(op)、 設計圧力 500kPa(G)  設計温度 20℃
    現在の指示値 20m3/h(op) 、操業圧力200kPa(G) 、 操業温度 40℃ の場合   

面積流量計の補正式 気体用 SI単位



   補正式 3-4




        


        
 
Q1:実流量 (補正後の真の流量) 体積流量(容積流量)
m3/h(op) or   L/min(op) など
Q0:目盛読み流量(流量指示値) 体積流量(容積流量)
m3/h(op) or   L/min(op) など
ρ1:異なる気体の密度    (実際の操業気体密度) kg/m3(ntp)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(ntp)
ρ1’:異なる気体の密度    (実際の操業気体密度) kg/m3(op)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(op)
P1:異なる圧力        (実際の操業圧力) kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
P0:目盛記載の圧力     (設計仕様の圧力) kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
T1:異なる温度        (実際の操業温度)
T0:目盛記載の温度     (設計仕様の温度)
上記式に数値を代入して計算すると  
目盛記載の気体の密度 ρ0 1.429
異なる気体の密度     ρ1 1.429
目盛記載の圧力      P0 500
異なる圧力          P1 200
目盛記載の温度      T0 20
異なる温度          T1 40
目盛記載での気体密度    ρ0’ 7.9037 kg/m3(op) 計算値
異なる圧力での気体密度 ρ1’ 3.7075 kg/m3(op) 計算値
補正係数 1.460
目盛の読み(流量指示値)  Q0 20.0
実流量(補正後の流量)   Q1 29.2 m3/h(op)

*   m3/h(op)とは操業状態の体積流量を云い
  オペレーション状態での気体の体積流量です。


*  kg/m3(ntp) とはノルマル状態と云い
  0℃、0Pa(G)=1atmの状態での気体の密度。

*  kg/m3(op)とはオペレーション状態を云い
  操業状態の温度、圧力での気体の密度。

* ρ1の異なる気体とは設計仕様と異なる気体ということで
  上の例では設計気体が酸素、操業気体が酸素と同じ気体
  ですが、操業気体がアルゴンの場合はρ1は 1.784 を代入します。
 
kPa(G)は大気圧基準を表す。

注意1. 上記の補正式の温度、圧力はそれぞれ「絶対温度: K ケルビン」、「絶対圧力:kPa(abs) 」で計算しますので
     摂氏温度:℃、ゲージ圧力:kPa(G) で流量計の仕様が与えられた場合は
     絶対温度(K)=273.2 +  ℃   、 絶対圧力(kPa・abs)=101.3 + kPa(G) に換算して計算しています。
     圧力が MPa(G)   Pa(G)   などの流量計では  kPa(G) に換算して式に代入してください。

上の例で、最大目盛 20 m3/h(op) は、20 × 7.9037/1.429 =  110.6  m3/h(ntp)  に相当します。

上記例の計算式:エクセルはこちらよりダウンロードできます→ エクセル計算式




面積流量計 気体流量の補正 3−5.

流量計目盛   kg/h     気体密度  kg/m3(ntp)

 
窒素ガス用流量計で設計仕様 圧力が 500kPa(G) で製作されているが
 実際に流れている圧力が 300kPa(G) のように設計仕様と異なる場合は流量の補正が必要です。
 
例: N2窒素密度 1.25kg/m3(ntp)、最大流量 100kg/h、設計仕様圧力 500kPa(G)、設計仕様温度 20℃
   実際の操業圧力 300kPa(G) 、操業温度 30℃ 流量指示値 100kg/h の場合、操業気体 アルゴン

面積流量計の補正式 気体用 SI単位
    補正式 3-5
気体の流量補正式
W1:実流量 (補正後の真の流量) 質量流量
kg/h or   kg/min など
W0:目盛読み流量(流量指示値) 質量流量
kg/h or   kg/min など
ρ1:異なる気体の密度    (実際の操業気体密度) kg/m3(ntp)
ρ0:目盛記載の気体の密度 (設計気体密度) kg/m3(ntp)
P1:異なる圧力        (実際の操業圧力) kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
P0:目盛記載の圧力     (設計仕様圧力) kPa(G) キロパスカル・ゲージ圧
T1:異なる温度        (実際の操業温度)
T0:目盛記載の温度     (設計仕様温度)
上記式に数値を代入して計算すると  
目盛記載の気体の密度 ρ0  (設計気体密度) 1.25   窒素密度
異なる気体の密度     ρ1  (実際の操業気体密度) 1.784     アルゴン密度
目盛記載の圧力      P0  (設計仕様圧力) 500
異なる圧力          P1 (実際の操業圧力) 300
目盛記載の温度      T0 (設計仕様温度) 20
異なる温度          T1 (実際の操業温度) 30
目盛記載での気体密度 6.9137 kg/m3(op) 計算値
異なる圧力での気体密度 6.3680 kg/m3(op) 計算値
補正係数 0.9597
目盛の読み(流量指示値)  W0 100
実流量(補正後の流量)   W1 95.97 kg/h

* ρ0、ρ1 気体の密度は設計気体密度、操業気体密度
 が異なる、異種気体の場合に計算が必要ですが
 同一気体の場合はρ0、ρ1の計算は不要です。

kPa(G)は大気圧基準を表す。

設計仕様の圧力がkPa(G)以外の場合は kPa(G) に換算して上式に代入してください。

注意1. 上記の補正式はボイル・シャルルの法則とベルヌーイの定理によっていますので
     流量は差圧と流体密度の平方根に比例しますので、流体密度を求める、温度、圧力
     の平方根となり √ が入ります。左側√の中がボイル・シャルルの法則です。

注意2. 上記の補正式の温度、圧力はそれぞれ「絶対温度: K ケルビン」、「絶対圧力:kPa(abs) 」で計算しますので
     摂氏温度:℃、ゲージ圧力:kPa(G) で流量計の仕様が与えられた場合は
     絶対温度(K)=273.2 +  ℃   、 絶対圧力(kPa・abs)=101.3 + kPa(G) に換算して計算しています。

上の例で、最大目盛 100 kg/h は、100 ÷ 1.25 =  80  m3/h(ntp)  に相当します。

上記例の計算式:エクセルはこちらよりダウンロードできます→ エクセル計算式


 

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