技術資料 圧力編1. 圧力換算表、圧力の単位
圧力換算、圧力の単位
圧力換算表 圧力換算表 <計算可能> Excel File はこちら(ご使用は自己責任でお願い致します。)
at 工学気圧 | lb/in2 | 気 圧 | バール | パスカル | ヘクト パスカル |
キロ パスカル |
メガ パスカル |
mmHg | mmAq 水柱 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
kgf/cm2 | psi | atm | bar | Pa | hPa | kPa | MPa | Torr (トール) | mmH2O |
1 | 14.223 | 0.9678 | 0.9807 | 98067 | 980.67 | 98.067 | 0.09807 | 735.56 | 10×103 |
0.0703 | 1 | 0.06805 | 0.06895 | 6895 | 68.95 | 6.895 | 6.895×10-3 | 51.71 | 703.1 |
1.0332 | 14.70 | 1(大気圧) | 1.0133 | 101330 | 1013.3 | 101.33 | 0.10133 | 760 | 10332 |
1.0197 | 14.50 | 0.9869 | 1 | 100000 | 1000 | 100 | 0.1 | 750.06 | 10197 |
10.197×10-6 | 0.145×10-3 | 9.869×10-6 | 0.01×10-3 | 1 | 0.01 | 0.001 | 1×10-6 | 7.501×10-3 | 0.10197 |
10.197×10-3 | 0.1450 | 9.869×10-3 | 0.01 | 1000 | 10 | 1 | 0.001 | 7.501 | 101.97 |
10.197 | 145.0 | 9.869 | 10 | 1×106 | 10000 | 1000 | 1 | 7501 | 101.97×103 |
1.3595×10-3 | 0.01934 | 1.316×10-3 | 1.333×10-3 | 133.3 | 1.333 | 0.1333 | 133.3×10-6 | 1 | 13.595 |
0.1×10-3 | 1.422×10-3 | 96.78×10-6 | 98.07×10-6 | 9.8067 | 0.098067 | 9.8067×10-3 | 9.807×10-6 | 0.07356 | 1 |
0.1 | 1.422 | - | - | 9806.7 | 98.067 | 9.8067 | 0.0098067 | - | 1000 |
備考1 上表は絶対圧基準としている、すなわち絶対真空を 0Pa とし標準大気圧 1atm=101.33kPa = 1013.3 hPa としている。
備考2 SI単位はPaが基本であり、上の表の背景グレー部分が SI 単位。( k キロ M メガ h
ヘクト は接頭語)
流量計で用いる圧力の単位記号
上記の圧力換算表は単位はすべて「絶対圧基準」である。
絶対と云うように圧力単位を述べる上では基準としてまことに理解し易い。
しかし、普段地球上で生活するうえではちょっと不便である。
流量計を使用する場合「大気圧基準」すなわちゲージ圧で表す場合が多い。
単位の統一という観点からみれば「絶対圧基準」ですべて統一されてよいのであるが気体の容積流量を扱う場合は流れる気体の密度が「大気圧基準」と「絶対圧基準」とでは1気圧(101.33 kPa)の違いがあるために製作時に取り決めておく必要がある。
すなわち、使用先配管内の圧力は「大気圧基準」で云っているのか「絶対圧基準」で云っているのか正しく把握し指定する必要がある。
たとえば簡単に 100kPa と云っても「大気圧基準」では「正圧」であるが、「絶対圧基準」では「負圧」つまり大気圧よりマイナスになってしまう。
気象予報で 1020 hPa(ヘクトパスカル)と云っているのは絶対圧基準で正圧の高気圧を呼んでいてまことに正しい表現をしている。1013.3 hPa = 101.33 kPa = 1 atm(大気圧) になるので、1013.3 hPa 以下は低気圧ということになり、台風が発生したときなどは 970 hPa などで低気圧(大気圧よりマイナス)を云っている。
上の圧力換算表で100kPaは0.9869atm(気圧)となり負圧であり、101.33 kPa = 1 atm(大気圧)である。
正圧とは、標準大気圧=101.33kPa(abs)=0kPa(G)=1atm より高い圧力
負圧とは、標準大気圧=101.33kPa(abs)=0kPa(G)=1atm より低い圧力
JIS B 7551:1999 フロート形面積流量計 定義にて「基準状態」とは温度0℃、圧力101.3kPaの状態として、この場合のkPaは絶対圧基準で示している。
フロート形面積流量計では kPa を絶対圧基準で表しているかとみると、各メーカで統一されてなく、絶対圧基準のメーカ、大気圧基準のメーカ 両者があるので注意を要する。
◎社団法人 日本計量機器工業連合会 流量計技術委員会
「計量法改正に伴う SI 単位移行に関する対応 平成5年11月
工業会の対応についてとし誤解の生じやすい単位については、原則として次の表記を用います。
1.圧力
・ゲージ圧力は、Pa の表記とします。
・絶対圧力とゲージ圧力とを区別するときは、Pa[abs]または Pa[gage]を用います。
このように「絶対圧基準」と「大気圧基準」の違いで機能、精度に影響がでるような機器の場合には単位に下記添字を付加して区別するよう推奨している資料が存在する。
流量計は機能に影響が出る機器の代表と云える。
「大気圧基準」には Pa(G)のようにゲージ圧を意味するGまたは gage の添え字を付加し「絶対圧基準」には Pa(abs)のように abs または a を付加したほうがよいだろう。
ただし「圧力計」は「圧力ゲージ」とも呼ばれるように「大気圧基準」を前提に製作されているため単位表記は、MPa、Pa のみで G、gage の添え字は付けていない。
これは、「ブルドン管圧力計 JIS B 7505」 の定義として「圧力計」とは正のゲージ圧を測定するもの。ゲージ圧とは大気圧又は周囲の圧力を基準として表した圧力であって絶対圧とは異なるもの。と JIS 規格内で定義しているからである。
また正圧、負圧、をそれぞれゲージ圧で測定する、「連成計」 や
負圧をゲージ圧で測定する「真空計」が JIS B 7505 で定義されていて、JIS B 7505 では圧力の単位はゲージ圧基準(大気圧基準)と明確にしてある。
流量計関連では MPa、Pa などの単位を大気圧基準で表すとか絶対圧基準で表すとかの JIS 規格内で定義が無いのは残念である。「ブルドン管圧力計 JIS B 7505」は JIS 規格内で定義している事は評価される。
当 Web Site 内での圧力は MPa(G) kPa(G) Pa(G) の(G)
添え字は大気圧基準を表しております。
また、MPaG kPaG PaG のようにカッコを省略する場合もあります。(表内のスペースの関係にて)
絶対圧基準を表す場合は MPa kPa Pa 絶対圧基準と特記するかMPa(abs) kPa(abs) Pa(abs と添え字 (abs) を付けて表します。
また、差圧は圧力の差異であり MPa kPa Pa で表し大気圧、絶対圧を表す添え字は付きません。
弊社のカタログなどで圧力を表している Pa、kPa、MPa は添え字を省略していますが大気圧基準となっております。
Pa(G)、kPa(G)、MPa(G)、Pa(g)、kPa(g)、MPa(g) も大気圧基準
Pa(abs)、kPa(abs)、MPa(abs)、Pa(a)、kPa(a)、MPa(a) は絶対圧基準としております。
各業種、各業界、各社で G またはgageの付加、absの付加の考えが統一されていれば問題ないのだが科学分野、工学分野、航空宇宙産業分野では「絶対圧基準」、一般産業分野では「大気圧基準」が多用され現状統一されていなく、いまだに 1atm の違いに困惑されている人も多いのではないだろうか。
大気圧基準、絶対圧基準の区別が必要なのは必須なのであるから、どこかの公的機関(JISなど)で圧力単位の添え字記号を統一して決めていただけないかと希望するのだが。
圧力単位 大気圧基準、絶対圧基準 概念図

SI単位の圧力換算表では、1atm = 0kPa(G) = 101.33 kPa = 0.10133 MPa で表されており、この場合の 101.33 kPa には(abs) の添え字は付いていませんが、絶対圧基準ですので注意してください。
気体用流量計を見積、製作、使用する場合は「大気圧基準」で考える事が多いのですが、流量の換算、補正をおこなう場合はボイル・シャルルの法則を用いるので、絶対圧基準で計算するため、公式の中に 101.33 の数値が頻繁に引用されています。
標準大気圧 1atm とは、海面上での標準的な大気の圧力を云い 101.33 kPaですが、高度が高くなると大気が薄くなるために気圧は下がりその値は小さくなります。
絶対圧基準と大気圧基準の換算例
例1:5 MPa.abs = 5-0.10133=4.89867 MPa(G)
例2:12 MPa.abs=12-0.10133=11.89867 MPa(G)
例3:500 kPa.abs=500-101.33=398.67 kPa(G)
例4:1200 kPa.abs = 1200-101.33=1098.67 KPa(G)
例5:5bar.abs=5-1.0133=3.9867 bar(G)=398.67 kPa(G)